ケイクジャ7 【闇の中探していたのは】
不幸を不幸と気づかないのが真の不幸のように。
闇を闇と気づかないのは闇に囚われた証。
冷え切った孤独の中で藻掻いて藻掻いて。
掴みとったものを今手にしている。
「ケイナってさぁ」
深夜に目覚めると腕の中の生き物を抱きしめる。
「夜になると子供返りしてない?」
腕の中の笑顔に報復の意味を込めてキスをする。
「ほらムキになってる」
見透かされているのを必死に隠す。
闇の中探していたものの名前を呟いて。
同じ温度で愛していると囁いた。
最終更新:2006年07月26日 18:42