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英鉄1 【言の葉の自負】


「いっつ…」

人差し指の腹にざっくり入った切り傷が開いた。やめておけばいいのについついゲーセンにきてコインを豆乳してから気づく。そういや俺、指切ってたんだった。
じいちゃんが聞いたら未熟モン!って一週間はまな板取りあげそうだから言わないでおくけど……学校で調理実習があって、自分が寿司屋だからってついつい調子にのっていた矢先、ザックリやっちまった。
慣れた包丁じゃないからだーなんて言い訳はしねぇけど、実際授業だからって舐めてたのはホント。これは俺が悪い。自業自得ってやつ。
指先ってデラでは力使うから傷口開いちまったみたいだ。ボタンに血がついてないかとヒヤヒヤしたけど、次にプレイしはじめたニクスは何も言わないし大丈夫っぽい。
あ~今日はこれで帰るっきゃないかな。ウチで毎朝研いでる包丁と違って、安物の包丁だから切れ味が悪い。治るのもきっと遅い。それまではあんまり激しく指先を使うようなことは控えたほうがいいかもしれない。

「おい」
「えっ、あ、悪ぃ!割り込んでるわけじゃねえからっ」

次に待ってたのは英利だった。慌てて飛び退くと、鷹揚に頷かれる。怒ってる感じではなさそうだし、「気にすんな」って意味だろうか。
なんだか、英利の表情はいつもだいたい同じ、機嫌がいいんだか悪いんだかわからない感じで、俺はちょっと近寄りがたい。クラスにも一人くらいいないか?こっちに踏みこむ隙を与えてくれないような、総じて『なに考えるかわからない人』とか言われるような。
今プレイしてるニクスやサイレンが絡むと少し違うみたいだが、俺個人で英利と話したりすることはそういえばなかった。

「手」
「は?」
「怪我」

会話が一方通行のような気がするのは俺だけか?
でも英利の目は俺の目じゃなく指を見ている。人と話す時は目を見て喋れとか教わらなかったんだろうか。

「あーその、調理実習でやっちまって」
「寿司屋なのに?」
「……寿司屋だって怪我くらいする」
「商売道具に傷つけるのか」

職人気質が呆れる、といわれた気がしてカチンとくる。なんなんだよ文句あっか。ああ悪いのは俺だけど!

「こんなん舐めときゃ治る!」
「舐めるくらいなら今からトイレで手洗って消毒しろ」

なんだかムキになってる俺が馬鹿らしくなるくらいあっさりとした口調で言いやがると、英利は俺に何かをポイッと投げると、悠々とニクスが退いた筐体に向かっていった。

「よォ、どした」
「……なんでもねー」
「指切れてんな。さっさとソレ貼っちまえば?」

ニクスに顎で示された、俺の掌。無造作に放られたうさお君カットバンが黒々とした眼で俺を見あげていた。……なんでここまでうさお君なんだよ。



初英鉄。渚さんとデートした時にやたら英利の話をしたので初挑戦そして挫折。英利わかんね!なれそめのさらに前段階のようなファーストインパクト? 目指したのは下町っ子らしい鉄火と(多分)クール系英利。あれか、英利は寡黙攻めとかそういう系統なんだろうか……わーっと鉄火が10喋って、英利が1返して鉄火撃沈そして空回りみたいな。なんだか仲悪そう。英鉄っていうよりは英&鉄な感じで。そして小ネタだったのに思ったより長くなりました。