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ケイクジャ5 まどろみ


延々と音階を変えながらも続くピアノの調べを、聞くともなく耳に流し込んでいる。
エンドレスリピートで流されるそれを孔雀は厭うこともなく傍らで聞いている。
静かに流れるはカンタータ。

「もうずっと聞いてるね」
「変えてもええけど」
「このまんまがいい」

滅多に流れることのないクラシック。ケイナは部屋ではあまり音楽をかけない。ただ一枚だけ全集から抜き取ってきたようなCDがあるきり。

「眠そうやな」
「実はちょっと」
「このまんま寝てまうか」
「いいね」

回した腕に少しばかり冷たい手が添えられ、それと温度をわかちあうころには孔雀は眠りに落ちていた。同時にその手の主も誘われるように瞼を落とす。



見守られるように穏やかに包む、【主よ、人の望みの喜びよ】の中で。