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葉皆11 天然


「甲ちゃん遅れるよーいつまで寝てるのー」

がんがんがんと容赦なく扉を叩く葉佩。屋上の支配者ことサボリ魔の代名詞皆守甲太郎がまじめに朝から登校するなど滅多になかったのだが、こと<転校生>葉佩がやってきてからは毎朝こうだ。

「うるせぇもう起きてる」
「なにしてんのー」
「今日は雨だからなかなかうまくまとまらないんだ」
「なにがー」

扉越しでは埒が明かない。もう一度扉を叩こうとしたらようやく皆守がぶすっとした顔で出てきた。

「遅いよ甲ちゃん」
「今日は最悪だ」
「俺が毎朝起こしにくるのはもう慣れたでしょ。なに手間取ってたの?」
「頭のセット」
「セットぉ?」

まじまじアロマパイプをくわえた皆守を葉佩は見る。

「いつものもじゃもじゃじゃん。セットなんかしてるの? ていうか甲ちゃん必要ないんじゃない、いつもしんなだし」
「……」
「甲ちゃん?」
「おまえに……」
「え?」

朝っぱらから沸点の低い皆守は何かが切れたらしい。

「おまえに天パの苦しみがわかってたまるか! もじゃもじゃっていうけどな、俺だって好きでこういう頭してるわけじゃないんだぞっ 寝癖はなかなか直らないし、ちょっとコンディショナーを怠ると翌朝にはすぐぱさつく。雨なんかには最悪だ、スタイリングが全然きまらねぇ! 遺跡から帰ってきたら真っ先に頭洗わないとすぐ痛むんだよ!何もしなくても!おまえみたいな剛毛ハリネズミ頭には全く全然関係のない話だろうがな! 石鹸で髪洗ってろ!」

一気にまくしたてた皆守は葉佩をおしのけ、のしのしと廊下を歩いていってしまった。寮生の何人かはそれを目撃し、滅多に激高しない皆守を恐れたが、その朝の事件を知った何人かの天パー達は拍手喝采を送ったという。
以来、甲ちゃんの髪のことはこれからあまり触れないようにしようと葉佩は心に決めた。

「でもあれ、触り心地は最高なんだよな……」という命知らずな呟きを幸いかな、皆守は聞くことがなかった。


甲ちゃんのアレは地毛だろう。私も髪質細くて天パなので言わせてみた。でも髪質としては固めかもしれないな、あのワカメは(笑)