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ゼファミリー2


今日も今日とてひた走る、意味もなく突っ走るしぐしぐs。本人達は至って真剣なのだが走る姿、こける姿。どちらがカワイイかと言えば実は後者だったりして。

「きゃん!」

桃しぐがこけました。何度こけでもへこたれない鼻っ柱が自慢。
そこに通りかかった青い影。
すっと小さな彼女に差し出される手。

「あ、ありが……」

銀髪からぎらりとのぞく眼光。まるでそこから闇のオーラが吹きだしてきそうな悪辣顔。
ご近所でも有名な怖い人・キラーでした。
ぴっ、と桃しぐの息が止まった。瞬間。

「……怖いー!」

差し出された手を取っていた筈の桃しぐは、パァン!と打ち払ってマッハで逃げ去った。そういう時に限ってこけない。

「…………」

手を叩かれたままで凍りつくキラー。
静止すること数分間。

「あっれぇキラーじゃん!」

そこに通りかかったのはいつでもポジティブシンキング青年オロロージョ。長年キラーの友人をやっているため怖い顔も慣れっこです。

「……っ」
「ん?どした?」
「……!! !! ……!!!!」
「ふんふん。桃しぐたんがまたこけたんだな」

無口にも程があるがキラーはシャイなので、オロロージョ相手でも身振り手振りで状況説明をする。咎めればいいものをオロロージョもそれを悟る技能を持ち合わせているため、キラーの無口ぶりが助長しているのだとは全然気づかない。

「!!……! ……っ!」
「あー……また怖いって言われて逃げられたのか」

この顔に百倍似合わない細い神経と繊細な心でできているキラーはよくよくこうやって誤解される。
たいていその愚痴を聞くのはオロロージョだ。

「………………」
「まぁそう落ち込むなって、な?」
「……」

やがてぐすぐす肩を震わせはじめたキラーをぽんぽん撫でてやりながら、何だかなーとオロロージョは空を仰いだ。
願わくばこの友人の誤解がとけることを願って、幾度めかの祈りだった。