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ダークエッジ妄想7 吉白5 アンタレス


胸の中の軽い箱が重く感じられる。
心臓の上に、心臓がある。
たった一本の小さなマッチ棒を残して消えた。
彼の亡骸はどこにもない。

「あれでも、不死族……だもんな」

喫煙は20歳になってから、というあってないような注意書きの箱から、未成年の吉国がこの上なく慣れた手つきで新しい煙草をくわえる。
たぶんもう肺は排気ガスで真っ黒だろうから、これ以上悪くなることもない。

「遠山、おまえってさ」

心臓に、心臓が重なる。
彼が託したたった一本の亡骸。

「ちゃんと悪いことしたか?怒られたか?」

両手と、片足で足りてしまう人生を生き、それからあと2本ほどつけたして消えていった遠山白右という名前の少年は。
果たして。

「なあおまえ、煙草とか吸ったりしたことあったのかよ」

心臓に、心臓が重なる。二度と片方は脈打つことはない。ただ、熱だけを孕んでいるような気が吉国にはした。