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ダークエッジ妄想6 吉白4 燃やせと呼ぶ声が


燃やせ。燃やせ。燃やせ。燃やせ。


いつの間にか昼になっていた。確か校門に滑り込んだのはきちんと朝だった筈なのに。
いつものように授業が進み、なにげなく昼が来ていた。

「吉国、あんた寝過ぎ」
「寝不足なの?吉国君」
「どーもしねー……」

最近つるむようになった赤坂と清水がそろって、そお?という顔をしながら弁当片手に教室を出て行く。

「吉国」

ふっと目の前を過ぎる黒。

「っ!」

思わず後退った。

「え、どうしたんだ?」

ほんのり刻まれた笑み。
ブレザーの中にあって、学ランは異様。それなのに、教室の中に溶け込んでいる。
高城九郎。

「西脇が飯食わないかって」
「……俺いいわ。煙草吸ってくる」

食欲ねえし、と言い訳を口の中でしながら教室を出た。


いつもの教室。いつもの昼。いつもの壁。いつもの異状。


燃やせ。燃やせ。燃やせ。燃やせ。


いつからか聞こえる心の声は、今まで対峙していた人物とにた響きを持つ声の主にすり替わっていた。

「でも同じじゃねえんだよな……」

似ていることは、同じことではない。
高城九郎が高城九郎であるように。

「遠山」

燃やせ。燃やせ。燃やせ。燃やせ。

おまえの声が聞こえる。
最終更新:2006年07月26日 06:02