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さゆき7 「さすが米所、深みが違うねえ」 片膝立てて杯を空にした佐助は舌鼓を打つ。 「しかし誰が入れ知恵したんだかねえ。俺に酒の土産なんて」 戦と団子にしか目のない旦那が「気の利く土産」なんて自然に思い至るわけがない。これが腹心の物言いかと誰かが聞けば目を剥く暴言だが、事実である。おまけにその場にいたのは佐助と大の字になって寝ている幸村だけだった。 土産をもって帰るのはほとんどが自分。無粋なほど気の回らない幸村の代わりに気を配るのが、この主従の正しい姿だと佐助は思っている。 佐助は量のこなせない下戸だがうまい酒は楽しんで飲む質。しかし本物の下戸は佐助が勧めた一杯でつぶれてしまっていた。 「そういや俺もかすがにこんな感じで潰されてたなあ」 あの美貌のくの一は笊だった。蟒蛇の上を行く枠だった。今でこそ忍びの訓練の賜により飲める佐助だったが、昔は一杯でも赤くなった。かすがは訓練する前から一樽あけても顔色ひとつ変えない。今ごろ酒豪と名高い軍神と負けず劣らずの相伴に預かっているのではないか。 「それに比べてうちのは…」 赤旗のような顔の幸村を見おろし佐助は苦笑するしかない。 「ま、割れ鍋に何とやら…かね」 飲み終わったら布団の準備しなきゃなあと心中でぼやきつつ、今しばらく酒に酔いたい佐助がいた。 片膝たてた佐助と、「うちの」と言うシーンが書きたかったんで。

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