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さゆき6 「消えなぁ!」 翻る紅と飛び散る朱。佐助の凶手が閃くたびにそこに新たな赤が混じる。傾いた太陽の中では誰も彼もが血にまみれた顔をしている。 ここはいくさば。死と生の風は命をさらう。 「俺様の技を拝むには百年足りねえな…っ」 佐助がいくらその手を巡らそうと死ぬ者は死に、生きる者は生きる。 「弱ぇ弱ぇ」 正邪なにもかもがひっくり返り無価値になる。 「死にたい奴だけ、かかってきなよ。猿飛佐助が討ちとれるなら!」 虚空に蜻蛉を切った。佐助は血風を纏い骨をも断ち切る。 その時の佐助は人の、人である全てを否定する。己自身をも、人であることを忘れる。 そこにあるのはただの凶器。凶器であろうとする何か。

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