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ちかなりちか1 捏造上等の過去話
その昔、超絶かわいい子をみかけた。
厳島神社の平行する廊下と廊下で父親とその家臣について歩いてる子だった。
一応神域であるので、お互いの敵国武将たちはあからさまに目をそらしている中、そのこの目はまっすぐで輝いていた。
どうにも初めての場所にきょときょと目を泳がせていてその様も可愛い。白い髪と肌がやけに目に残る。
「あれらは長曾我部の…」
「いずれ若殿とあいまみえることになりましょうな…」
「まあ何ともひ弱そうな若子だが…」
後ろについてくる家臣を切り捨てたくなった。
姫若子と呼ばれていた初恋の人とでも言うべき相手が長じていつのまにか鬼若子と呼ばれることになろうとは露知らぬ毛利の若様だった。
捏造チカナリチカ。
どこかでそんな出会いがあればいい
ちかなりちか3 奥方様
「毛利元就が妻、久と申します」
「長曾我部元親の妻、菜々ですわ」
すずやかな振る舞いが美しい奥方様たちは出会い頭は花のかんばせであったが次の瞬間には、
「うちの田舎っぺ大将が」
「いえいえこちらの冷血漢が」
と夫を遠慮なくこき下ろした。
チカとナリの奥様方、本を読んでいるとだいぶ面白い人たちっぽい。
(司馬遼の菜々、山岡の久)