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ちかなりちか1 捏造上等の過去話 その昔、超絶かわいい子をみかけた。 厳島神社の平行する廊下と廊下で父親とその家臣について歩いてる子だった。 一応神域であるので、お互いの敵国武将たちはあからさまに目をそらしている中、そのこの目はまっすぐで輝いていた。 どうにも初めての場所にきょときょと目を泳がせていてその様も可愛い。白い髪と肌がやけに目に残る。 「あれらは長曾我部の…」 「いずれ若殿とあいまみえることになりましょうな…」 「まあ何ともひ弱そうな若子だが…」 後ろについてくる家臣を切り捨てたくなった。 姫若子と呼ばれていた初恋の人とでも言うべき相手が長じていつのまにか鬼若子と呼ばれることになろうとは露知らぬ毛利の若様だった。 捏造チカナリチカ。 どこかでそんな出会いがあればいい
ちかなりちか2  元親が浜で拾った子供を肩車してやっていたら、「鬼が子供をさらいに来た」と元就に言われた。 「明日の知れない孤児になるのと海賊になるの、どっちがましだ」 「そうして鬼が増える、か」 能面めいた元就が笑ったようだが気色は薄い。腹から力を入れる、という言葉にこれほど縁遠い男もいない。 「子供は嫌いか」 沈黙。 「苦手か」 元親はそう読んだ。子供の扱いが下手そうに見えた。 「小さきものは脆い」 恐れでもしているように。 「ああ脆ぇな。弱っちくて、すぐ壊れちまう」 しかし、子供はしなやかだ。逆境にもっとも柔軟に接する。たとえその先が鬼と呼ばれるものであろうと。 「生きて生きて生きぬいて笑う奴が勝者だ」 もみじの手が元親の白髪をいじる。爺みたい、という声を頭上で聞く。 「あんたもそうじゃなかったかい」 「そういう話は聞きたくない」 だがつっぱねる声の主の眼差しは子供に注がれ、いつもは刃のそれがそこだけ円みを帯びていた。 ああそういえばこの冷徹男にまだ子はないが、実兄の忘れ形見がいたっけなと記憶を拾う。 「…日輪は好きか」 元就が肩上の子に問う。子供は光るから好きだと歯の欠けた口で答えた。 「ならば長じるだろう」 鬼となっても日輪を拝め。 元就はそれだけしか言わず二人に背を向けた。 「…素直じゃねえなあ」 西の海の鬼はそうぼやき、みなしごを小鬼にすべく船に連れ帰った。 荘八毛利を読んでいるとバサラと差異があって面白い。本当は子供好きかもしれない。

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