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たけとみ1 軍事上はなんの利益にもならない地の攻略に半兵衛は首を傾げた。 「こんなところを攻めてもあまり利はないと思うけどな」 あやしげな宗教団体と鬼島津がにらみあい、おまけに海に面しているから海賊と毛利領、両方にも近い。そんな所よりはまだ半兵衛が目をつけた箇所は山ほどあった。 「九州に一つ拠点を構えたいといったのはおまえではないか」 秀吉はいつもどおりの苛烈さで譲らない。どうやって言いくるめようか、そういう考えしかない半兵衛は手始めに「もしかして秀吉、どこか体でも痛めたかい?」と尋ねてみた。半兵衛が主の体調を見抜けないのでは軍師の名を返上しなければならないだろう。秀吉の健康管理も半兵衛の仕事のひとつと考えていた。 「我が覇道に陰りなどない」 つまり頗る快調。 「ではなぜ?」 「九州攻めは長くなるだろう。ひとつはこういった場所は押さえておけば士気もあがる」 珍しく秀吉が自分の目的にそぐわないことを言ったが、半兵衛はなるほど、と呟いた。 「傷ついた兵にも手をさしのべる策かい」 「そう思え」 「わかった。それなら僕にも依存はない。兵の結束は欠かせないからね」 歴史のないに等しい豊臣軍はとかく「寄せ集めの衆」と見られがちだ。結束と士気を浸透させるには飴も必要と半兵衛は思い至った。 やはり秀吉は僕とはまったく違う世界を見ていると実感した。 「万病にも効くという名湯だそうだからな」 「負傷兵にはありがたい話だね」 秀吉の気遣いにだけ、まったく思い至らない半兵衛はその秀吉の言葉の真意を気づくことはなかった。 バサラ初書きが竹中豊臣です…萌え!
たけとみ2 「で結局どっちがどっちなんだよ」 「何が」 馴染みの小姓同士が集まれば自然と自軍の噂話になるのは必然で。 今一番の噂の種は我らが主とその軍師についてだ。…いわゆる、夜のほうの。 「半兵衛様と秀吉様!あの二人デキてるんだろ?」 あのあまったるい空気は恋人でもなけりゃ作れないだろう。特に半兵衛の秀吉を慕う言動は友愛を軽く越えていると専らの噂だ。 「もったいないっていうかさ、あれだけ美形なら女も選り取りみどりだろうに」 ほかの部屋つきの小姓らに比べて話を聞かされる少年は半兵衛の部下の小姓だったので真実をちょっとばかり余計に知っていた。故に沈黙。 「なんでまた好き好んで大男の女役なんだろう?」 「でも半兵衛様なら何でもできそうだね」 「うはー想像すると卑猥だな」 そうか一般的に考えればそうだろうな。 半兵衛はあの通り線の細いしなやかな美青年で、秀吉は岩をも砕く巨漢である。 その二人が絡む構図といえばやはり… 「いや、まあ秀吉様は天下取りしか興味がおありでないし」 「天下とったら秀吉様でも選り取りみどり?半兵衛様はそれまで代わりかあ?何だかなあ」 フォローもむなしく小姓たちは秀吉はどんな体位が好きだとかいうシモの話に突入していく。 逆、なんだけどなあ。 生気の薄い半兵衛が凄絶に妖艶な笑みを浮かべて秀吉の寝所に忍んでゆき、その後からは地の底を這うようなそれでいてぞくっするような低い呻きが漏れるようになるとは誰も知らないことなのだ。 知らない方が幸せなのかもしれない。

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