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QMA妄想2 午後の授業はけだるい。 食堂の爪楊枝をくわえたタイガは満腹感にみたされつつも「このガッコはソースが薄味やな」などと考えていた。 「やあタイガ君」 ぞぞっと走る悪寒。 「次は私との個人授業の予定だが…」 にっこり微笑むフランシスがそこにいた。 マジか。 タイガはけだるさが吹っ飛び、軽く胃の中が引っかき回された気がした。 女子生徒は優雅でかっこいいと心酔する者も多いらしいが自分は違う。 「君はなかなか芸能の授業をとってくれないな。担当としては悲しい…どうかな、授業のあとにでも個人的に…」 「おおおお俺ロマノフセンセに呼び出されてたんやった!残念それはまた今度さいならさん!」 戦略的撤退は退却にあらず。 スポーツ担当のガルーダが見たら「普段からそのような俊敏さを見せろ」と言いたくなるような素早さでタイガは食堂を後にした。 「はて、授業はどうする気なんだろう…」 フランシスは平和に呟いた。 タイガとしては、とりあえず昼間っからナイトガウンはだけて廊下を歩くような輩と同一視されて親近感を持たれたくないお年頃だった。
QMA妄想3 「あーおもっくそ遠慮なく叩きおってっ」 ガルーダの竹刀の一撃は重い上に痛かった。タイガの二の腕にはくっきり竹刀の太い痕が赤くなって残っていた。 「でもゲットできた俺は超ラッキーやなっ」 タイガの指は真っ白く大きな羽根をつまんでニンマリ笑った。言うまでもなくそれは、ガルーダからぬけ落ちた羽根である。 「うはぁ、これだけでもエライきもちえぇなー」 誰にも言ったことはないがタイガはガルーダのあのもふっとした羽根に触れてみたくてしょうがない。ふわふわとしたガルーダはそこらの羽毛布団なんかよりさわり心地抜群に違いない。 「今はこんだけで、ガマンガマン」 大きく竹刀をふりかぶった瞬間、白く大きなものが目の前をよぎりタイガは思わず手をのばし、生徒の予想しない動きで竹刀はタイガの二の腕にぶちあたったのだ。 …羽根一枚と痣一つがつりあうか謎だが。 「いつかおもっくそさわったろ!」 「うぅっ!?」 ぶわっとガルーダの体がひとまわり大きく膨らんだ。 「どうなされたのじゃ」 「…いや、なんだか妙な寒気が…」 「季節の変わり目だからかの。体調管理は怠らぬほうがよろしいな」 「鍛錬が足りないのか…マラソンでもしてこよう」 羽根を片手にタイガのふわふわにかける新たな熱意が沸き上がる頃、丈夫で健康そのものなガルーダが突然の悪寒に襲われたのをロマノフだけが目撃していた。 思わずロマノフすらも触りたくなるような、羽毛の広がりだったとか…

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