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「ケイクジャ5」(2006/07/26 (水) 17:30:02) の最新版変更点
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ケイクジャ4 ため息
「あーあ」
「なんや溜息ばっかりついて」
「うん…」
「今更ホームシックとか?」
「似た感じかなぁ」
「え!?」
「ジェイスン元気かなぁ」
(じぇ!?)
「マイクやトムともこっちに来てからそれっきりなんだよなぁ」
(まいく、とむ!?)
「やっぱり寂しがってると思うんだよな…俺も日本に来る時は心細かったし」
「く、孔雀、そいつら何や」(顔がひきつる)
「え?え?見る?俺写真持ってるんだ」
「え、ああ?」(なんやその嬉しそうな顔!?ていうか男の写真なんか持ち歩いてんのか!?)
「ほらほらこれー」
「………あ?」
「えっとねー右からジェイスン、真ん中がトムで、こっちがマイク。一番左はお母さんのキャサリンっていうんだ」
「…えっと、孔雀」
「みんなすっごいいい子なんだー」
「そ、そうか…」
以下2時間ほど自慢話。
(野郎の名前ばっかりヒヤヒヤしたけど、まぁ…犬ならしゃあないか…)
孔雀が見せてくれた写真には大型犬が4匹並んでいた。
孔雀の実家はでかくて大型犬たくさん飼ってるような賑やかファミリーだといいよ。伯母夫婦とか親戚がいっぱい住んでる感じ(夢見がち)
ケイクジャ5 まどろみ
延々と音階を変えながらも続くピアノの調べを、聞くともなく耳に流し込んでいる。
エンドレスリピートで流されるそれを孔雀は厭うこともなく傍らで聞いている。
静かに流れるはカンタータ。
「もうずっと聞いてるね」
「変えてもええけど」
「このまんまがいい」
滅多に流れることのないクラシック。ケイナは部屋ではあまり音楽をかけない。ただ一枚だけ全集から抜き取ってきたようなCDがあるきり。
「眠そうやな」
「実はちょっと」
「このまんま寝てまうか」
「いいね」
回した腕に少しばかり冷たい手が添えられ、それと温度をわかちあうころには孔雀は眠りに落ちていた。同時にその手の主も誘われるように瞼を落とす。
見守られるように穏やかに包む、【主よ、人の望みの喜びよ】の中で。