警察庁の『漫画・アニメ・ゲーム表現規制法』検討会問題まとめ @Wik

バーチャル研究会問題

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『バーチャル社会の弊害から子ども守る研究会』って何?

バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会とは、2006年4月10日に元東京都副知事であり警察庁生活安全局局長(当時)だった竹花豊氏が、性描写や暴力描写のある漫画やアニメ、ゲームが子どもへの性犯罪などを引き起こしているとして、その問題を検証するために警察庁内に立ち上げた研究会です。
2006年12月25日に最終報告書を公表し、業界に自主規制を求める内容の報告書を提出しました。

●構成員(※肩書は開催当時)
前田雅英(首都大学東京都市教養学部長/刑法・刑事訴訟法)※座長
下田博次(群馬大学社会情報学部大学院教授/情報メディア論)※座長代理
相原佳子(弁護士)
姉崎昭義(日本PTA全国協議会環境対策委員会副委員長)
池田佳隆(日本青年会議所会頭)
江川紹子(ジャーナリスト)
岡田尊司(京都医療少年院精神科医・小説家)※「脳内汚染」著者
玄田有史(東京大学社会科学研究所准教授)※「ニート」概念を日本に紹介
小林寿一(科学警察研究所犯罪行動科学部少年研究室長)
坂元章(お茶の水女子大学文教育学部教授/社会心理学)
素川富司(文部科学省スポーツ・青少年局長)※~第4回
竹花豊(警察庁生活安全局長・前東京都副知事)
樋口修資(文部科学省スポーツ・青少年局長)※第5回~
藤岡淳子(大阪大学大学院人間科学研究科教授/非行臨床心理学)
藤川大祐(千葉大学教育学部准教授/教育方法学)
義家弘介(横浜市教育委員)※通称「ヤンキー先生」

●オブザーバー
有松正洋(文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長)
田代裕昭(内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官)


以下当サイト掲載のバーチャル研究会関連の記事一覧。

07/02/14 漫画・アニメ・ゲーム規制の行方は?(1)

警察庁の「バーチャル研究会最終報告」出る。
――二次元性表現の法規制は一応回避されるも、業界へ自主規制要請へ。――

去年から今年にかけて当HPをはじめ、ネット上で再三取り上げられた警察による漫画・アニメ・ゲーム規制問題ですが、
ついにその方向性と全貌を見せました。
そこで今回から、そのまとめをしていきたいと思います。

まず現状の報告ですが、去る2006年12月25日についにバーチャル研究会の最終報告が出ており、
そして2007年01月30日にインターネットホットラインセンターが、二次元規制へ向けてガイドライン改定の動きを見せました。
今回から数回に分けて、最終報告書とこれらの動向から垣間見えた、表現規制の方向性についてまとめたいと思います。
まず「バーチャル研究会最終報告」の新聞記事です。

警察庁:有害ゲーム、コミックは業界自主規制を 研究会
毎日新聞 2006年12月25日 19時31分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061226k0000m040062000c.html

警察庁の「バーチャル(仮想現実)社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」(座長・前田雅英首都大学教授)は
25日、コンピューターゲームの暴力シーンや性描写のあるコミックの子どもにもたらす弊害を防ぐため、
業界団体が自主審査などを通し、子どもへの影響を防ぐべきだなどとする最終報告書をまとめた。
同庁はこれを受け、今後、業界団体に取り組みを求める。
報告書は、ゲームの暴力シーンについて、コンピューターグラフィックスの高度化で現実感が高まっており、
子どもたちが影響を受けて暴力行為を行う危険が高まったと指摘。
さらに暴力シーンで子どもがトラウマ(心的外傷)を受ける危険があり、
暴力に慣れることで身近でいじめを目撃しても助けるような気持ちになりにくくなる危険もあるとした。
また、子どもを性行為などの対象とする内容を含むコミックの影響について、
実際に性犯罪が起きている例を紹介した。
そのうえで対策として、ゲーム、コミックの業界団体が自主審査を通して、
こうした弊害から子どもたちを守る取り組みを進めることが必要と結論づけた。


この報告で最も注目されている創作物への表現規制はタイトルにもあるように、法規制と言う最悪の提言は回避できました。
しかし一方であまり安心できないのも事実です。
では「バーチャル研究会最終報告」で出てきた提言とはどんなものだったのか?
そこで以下にその要点をまとめました。

※最終報告で出された提言(要点のみ)
・法規制はせず、業界に自主規制を要請する。
・自主規制を取り入れている18禁PCゲーム業界には一定の評価をするが、さらに規制の強化を求める。
・成年漫画については法的規制は困難だが、描写されている内容が法に触れる行為である等、警告を入れるよう求める。
・同人誌即売会には、18歳未満が購入しないよう身元確認などゾーニングの強化を求める。
・現在、ネット書店販売は年齢確認が自己申告となっているため対応が不十分。
したがって年齢確認の方法が確立されるまで、成年漫画のサムネイル画像を削除する等の対応をするべき。
・ネット上の画像掲示板やHPへの言及なし。

一足飛びに法規制への提言をしなかったのは、一定の評価が出来ると思います。
しかしながら報告書を精査していくと、隠された問題点も浮かび上がってきました。
さらにネット上の表現規制も諦めたわけではなかったのです。

それについては次回「漫画・アニメ・ゲーム規制の行方は?(2)」にて触れていきます。

07/03/19 漫画・アニメ・ゲーム規制の行方は?(2)

――ホットラインセンターが目論むネット二次元規制の危険!!――

前回は、バーチャル研究会の提出した最終報告書について解説をしました。
確かに法規制は免れましたし、ネット規制にも言及していません。
では危機は去ったのでしょうか?
いいえ、そうではないのです。これを御覧下さい。

「インターネット・ホットラインセンターの運用」半期報告
=違法・公序良俗に反する情報の通報状況と課題=
http://www.internethotline.jp/press/20070130-press.html
1.ホットラインの運用状況
1-3 通報などの処理状況
(3) 「運用ガイドライン」対象外と判断した通報の処理結果・・・総数 205件
ガイドライン対象外と判断した通報のうち、132件については名誉毀損・プライバシー
侵害情報として法務省人権擁護局へ情報提供し、36件については知的財産権侵害情報とし
て権利者団体へ情報提供しました。海外から批判が多いまんが子どもポルノについては、
国際NGO関連団体に12件提供

2. ホットラインにおける課題
2-3 全体における違法・公序良俗に反する情報の割合
(略)
しかし、通報されたけれども対象外と判断して処理されない情報の割合は依然として多く、
運用が通報者の期待に十分に応え切れていない状況は続いています。
今後、「運用ガイドライン」の見直しなどが必要であると考えられます。

なんとホットラインセンターはそもそもガイドライン適用外である、漫画やアニメ、ゲームなどの二次元性表現を
国際NGO団体(恐らくエクパット東京)に通報していたという実態が明らかになりました。
2007年の一月統計でも「まんが子どもポルノ」という項目で14件がNGOに通報されています。
http://www.internethotline.jp/statistics/2007/stat200701.html

そして「海外から批判がある」としてガイドラインの変更による二次元規制を目論んでいるのです。
以前よりこのホットラインセンターとバーチャル研究会が、共同歩調を取ってきた経緯を考えると、
ネット上の二次元創作物規制をホットラインセンターに一任した、と解釈するのが妥当でしょう。

バーチャル研究会最終報告(P25目)では「まんが子どもポルノ」(子どもを性の対象としている漫画など)を
・「学生服や教室といった学校を思わせる描写をしているもの」
・「『少女』『学園』など文言から未成年を扱っていると思われるもの」
として定義しており、仮にホットラインセンターによる規制が現実化すれば、極めて深刻な状況になる事は明白です。

ガイドライン改定の際には、意見募集などあるでしょうから、必ず声を上げる事が非常に重要となります。

12/12 警視庁の表現規制。性表現だけでなく暴力表現や小説まで言及!!

去る12月02日にバーチャル研究会の第7回議事録が公開されました。


研究会のデタラメさがますますエスカレートしつつあります。
以前は規制しないと言っていた小説まで規制できないか、などというトンでも発言まで出てきました。

》「本当に刑法に触れる行為を助長するような製作、ものを作るということを本当に禁止できないんだろうか」

》「例えば刑法に反することが書かれた漫画や本っていっぱいあるんですね。推理小説とかハードボイルドみたいな
》そんなものはやはり殺人とか泥棒だとか傷害だとかというものを描いているわけで」

》「表現の自由との関係が問題になると思いますが、やはり子どもの問題に関してはそれはかなり大きく制限しても
》いいのではないかと私は基本的に思っております。そこら辺のところできちっと(答申に)書いていただくべきと」

これまでこの研究会の中では、犯罪とフィクション作品との因果関係など裏づけとなる科学的データは全く出てきていません。
フィクションの作品が、犯罪を助長していると断定できるだけの有力なデータが無いまま、
委員達の独断と偏見が「一般論」や「風潮」、「倫理観」などと言い換えられたまま、規制推進の主張だけが展開されているのです。

しかもついに規制議論は急激に拡散し、小説などの表現物全体に規制をかけるというところにまで踏み込んできました。
エロや801に限らず、アクション物や活劇物、事件物、推理物、戦争物、不良物、ヤクザ物などなど……、
『刑法に反する行為』、つまり犯罪を描いていないフィクション作品はほとんど無いといえます。
もし仮にこれら作品の多くが「犯罪を助長している」とされた場合、大多数のフィクション作品は
世の中から姿を消してしまうでしょう。

最終答申まであと僅かだと思いますが、その内容によっては私達は自身で声をあげなければならないかもしれません。

11/16 警視庁がついに漫画やアニメ、ゲームでの未成年の性描写の全面禁止を提言!?

去る11月14日にバーチャル研究会の第6回議事録が公開されました。


ついにこの場で警察庁は、漫画やゲーム、アニメにおける未成年の性描写への規制を提案してきました!
提案したのはやはり警察庁生活安全局局長の竹花豊と座長の前田雅英です。
今回の会議は竹花豊が表現規制の私案を提示しており、次のようになっています。

》(2) 出版社、プロバイダ等による自主的な取組の促進
》■ 出版社や販売店、プロバイダ、電子掲示板管理者等に対し、次のような事項の遵守を求める。
》 子ども(13歳未満)に対する性行為等を慫慂し、犯罪行為を助長するおそれのあるコミック、アニメ、ゲーム等を取り扱わない。
》 これらのコミック等を販売する場合には、専用シール(例えば「13歳未満との性交は強姦罪になります」等)を貼付する。
》 これらのコミック等を販売する場合には、区分販売等を進め、子どもに触れさせない 等。
{》
》(3) 子どもに対する性行為等を表現した画像等の流通禁止
》■ 子ども(13歳未満)に対する性行為等を慫慂し、犯罪行為を助長するおそれのあるコミック、アニメ、ゲーム等について、
》業としての販売、インターネットを通じた提供等多数の者の目に触れる行為を禁止する。
{》
》(4) 子どもに対する性行為等を表現した画像等の制作の禁止
》■ 子ども(13歳未満)に対する性行為等を慫慂し、犯罪行為を助長するおそれのあるコミック、アニメ、ゲーム等の制作を禁止する。
{》
》(5) 児童ポルノの単純所持の禁止
》■ 児童ポルノ禁止法で規制されていない児童ポルノの単純所持を禁止する
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen29/6-takehana.pdfより

(2)が自主規制、(3)、(4)が法規制です。
竹花豊と前田雅英はともにこれらを児ポ法に組み込みたい意向を示しています。
この私案では「13歳以下」と設定されているので、ひょっとしたら安心している人もいるかもしれません。

と・こ・ろ・が

ここを突破口に18歳未満に見えるキャラのヌードや性描写まで規制を、児ポ法に盛り込む危険性が出てきています。

かつて東京都では『中学生セックス禁止条例』というものが取りざたされました。
{これは当初15歳以下の性交渉を禁止する、という触れ込みでした。
ところが実際の法案では、独立した法案ではなく青少年健全育成条例に盛り込まれ、しかも規制対象年齢も18歳まで引き上げられました。
これと同じ事が起こる危険性が大きいのです。

そしてこの一種のだまし討ちの様な事をやったのは、当時の東京都副知事でありこのバーチャル研究会を主催している警察庁安全局局長、竹花豊氏なのです。
来年改正される児ポ法に向けての動きと見られ、大いに警戒すべきでしょう。

議事録の詳細に関してはこちらのblogを参照して下さい。


10/12 警察庁の漫画、アニメ、ゲーム規制研究会の中間発表出る

去る9月25日に警察庁の「バーチャル社会の弊害から子どもを守る研究会」の第五回議事録と
中間報告が発表されました。

バーチャル社会の弊害から子どもを守る研究会HP←ここをクリック
第五回議事録←ここをクリック
中間報告←ここをクリック

本来ならもっと早く発表される予定だったのですが、ここまで長引いたという事はかなり揉めたという事なのでしょう。
ではその肝心の中身ですが、特に注目される漫画やアニメ、ゲームの規制はどうなったのでしょう。
中間報告から、その部分だけを抜粋します。

》今後、子どもを性の対象とする情報、ゲーム等、関連する議題にについて引き続き検討を重ねていく必要があるものの、
》子どもと携帯電話についての課題の重要性と緊急性を踏まえ、現在我々が取り組んでいる課題である、
》携帯電話がもたらす弊害とそれに対する取組についての考え方に関し、次のように取りまとめ、公表することとした。

なんとこの一行足らずだけです。
最初に彼らが問題としていた漫画、アニメ、ゲームに関しては「今後も議論する」で終わってしまいました。
中間発表のタイトルも『携帯電話の弊害から子どもを守るために』と変わり、最初の鼻息はどこかに飛んでいってしまったようです。
第五回の議事録をざっとみると、現段階では表現規制の法制化は極めて困難な情勢となっているようです。
主犯の竹花豊氏(警察庁生活安全局局長・元東京都副知事)と組んでいた座長の前田雅英氏ですら、次のような発言をしています。

》【座長(前田雅英)】
》私なんかも全く同じ考えでして、さっきF委員のご指摘にあったとおりで、
》有害というのは非常に難しくて、警察庁でホットラインを作っていただいたときに、
》結局一番問題なのは、何を有害かでどこまで通報して、プロバイダーがどこまでチェックを入れるか
》ということなんですけれども、それを国が決めちゃまずい、警察が決めちゃまずいと。

……爆弾発言ですね。
国が法で表現規制をしてはマズイ、と前田雅英氏までがハッキリと明言してしまっている状況なのです。
ですがまだ全てが終わったわけではありません。まだ中間報告の段階です。
これからも油断せず事態の推移は見守っていかなければならないのはいうまでも無い事でしょう。

なおこれまでの「バーチャル研究会」議事内容について、「冬枯れの街」さんに詳細なレポートが掲載されています。

Blog:冬枯れの街←ここをクリック

これまでの経緯を再確認する意味でも、ぜひご一読を進めいたします。

5/02 警察庁の漫画・アニメ・ゲーム規制研究会の議事録公開

ついに警察庁の漫画、アニメ、ゲーム規制研究会
の議事録が出てきました。下記項目をクリックして下さい。
●規制研究会、議事録(テキスト文版)
●規制研究会、委員名簿、配布資料など

バーチャル社会の弊害から子供守れ 警察庁が研究会 -児ポ法による二次元規制も視野に-

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060406-00000025-san-soci(産経新聞 4月6日)
去る4月6日に警察庁が性的表現のある漫画、アニメ、ゲームが子どもへの性犯罪を引き起こす原因である、としてこれらを法規制すべく研究会を開きました。
構成委員はほぼ全員が規制派で固められ、6~8月に法規制に向けて提言が出される様です。
児童ポルノ禁止法による二次元規制も視野に入っているとの事です。
※すなわち18歳未満に"見える"キャラ(男女区別無し)の性的描写が全て禁止されます。
エロゲやエロ漫画だけでなく、801、BL、ショタから、普通の漫画やアニメにあるただのヌードまで全部禁止という事になります。
記事、構成委員などの詳細はこちら。

日テレの偏向オタクバッシング報道 -警察と癒着した御用マスコミ-

4月10日の日本テレビ「Newsリアルタイム」「きょうの出来事」で、
秋葉原を映し「オタク=性犯罪者予備軍」と決め付ける差別・偏向報道が行われた。
その動画

詳しい内容はwiki「日テレを中心とした2次元ゲームのまとめ」を参照の事。
その1


その2


この偏向報道にはもちろん具体的数値や資料は一切出ていない。
また
(1)児童への性犯罪はメディアの発達していない昭和30~40年がもっとも多く、メディアが発達するにつれ
減少している。
(2)アメリカでの前例、禁酒法のように規制が逆効果になる場合がある。
(3)教師や社会的地位のある人物による買春・少年少女への性犯罪などの方が遥かに発生件数が
多く深刻である。
(4)メディア規制が性犯罪低下に役立った実例は、世界中何処にもない。
こうした事実は全て無視されている。
どれだけオタクが有害かという印象を視聴者に植え付けることだけを
目的にした典型的な捏造報道である。

抗議は以下へ。
参考サイト:電突のためのノウハウ

  • 放送倫理・番組向上機構(BPO)/放送と青少年に関する委員会
メール送信フォーム
TEL:(03)5212-7333 ※10:00~12:00・13:00~17:00
FAX:(03)5212-7330

  • 日テレへの抗議
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o 銀座ジュエリーマキ(三貴)
o ジャパネットたかた (0956)26-1300


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