出典
2007年11月11日東京新聞 本音のコラム:小沢は魔性の姫=藤本由香里
ここ一週間、「やっぱり小沢は姫だから」「ああ、小沢一郎の総受け本が読みたい!」という思いが脳裏を去来している(これは友人も同じ)。
ちょっと解説すると、女性向け同人誌には<やおい>と呼ばれる、「男どうしの愛」をテーマとしたジャンルがある。主に既存のアニメやマンガ作品の男の登場人物どうしの間に「そういう関係」があるという設定で遊ぶパロディー作品なのだが、ときにこれが実在の人物を扱う場合もあり、「政界やおい」というのも存在する(少数だが)。そしてなかでも「小沢一郎」というのは「総受けの姫」として注目される存在なのだ(詳しくは杉浦由美子著「オタク女子研究」を見よ)。
ここで「総受け」というのは、自由に<攻・受>として設定される、つまりチーム全員あるいは敵チームからも言い寄られ、ときに嫉妬される存在のこと。かくして同好の士の間では、政局を見ながら「あ~あ、姫ってばまたジラしちゃって」「いったん突き放しておいてすねてまた受け入れる。さすが魔性の姫ね」などという会話がなされることになる。
いや、もちろん、重大な政局に何を不謹慎な、とか、そんなことで何がわかる!という謗りはありましょうが……このところのあきれるような展開、そんな妄想でもしないとバカバカしくてやってられないじゃないですか、ねえ。